本草学とは、中国の薬草に関する学問で、紀元前からすでに研究されていて、長い年月をかけた実際的な経験とその成果に基づいた学問のことです。
本草学では、自分の体質と食物の性質をよく知って、そのバランスを取りながら自分の体質に合わせて食べることが大事と考えます。
つまり、どのように食べるかが重要なのですが、食べ物に対する正しい知識をもつことで、自分の体質に合った食べ方を実践していくことができるのです。
たとえば、山菜類は一般的にビタミン類を多く含んでいますが、アクが強いので食べ過ぎるとアレルギー体質の方は鼻炎や皮膚炎などの悪化につながると、本草学では言われています。
エビやカニも同じくアクが強いので、アレルギー体質の方は控えめにした方がよいでしょう。
もち米も、やはりアレルギー体質の方や化膿しやすい方には向かないとされています。
ショウガは、本草学から見ると古くから風邪や嘔吐の治療に用いられてきました。
特に、嘔吐がひどい方の場合には、ショウガはまさに聖なる薬(とても効能がある薬)といわれていて、古典の医学書『全九集』には、「生薑は微温にして嘔吐の聖薬(セイヤク)也」と記されています。
小豆に関しては、中国の薬物書では利尿作用に非常に効果があるとして、利尿剤に分類されているほどです。
このように、本草学とは医食同源の思想に基づいた、未病の改善や予防医学でもあるのです。
そのため、本草学では正しい食養の知識があれば体質改善も可能だと考えます。
私たちの体は、自分自身が食べたものからつくられています。
健康的な体作りのためには、良い食事をとることは欠かせません。
また、食べ物は食べ方次第でよくもわるくも作用するということを知って、より丈夫な体を作るために何をどう食べるか、自分の体質や体調に合わせた食べ方を取り入れていきましょう。